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大阪の坂ー天王寺にある7つの坂

更新日:2020年5月18日

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海に面し、平らなイメージのある町、大阪。確かに大阪には平らな場所も多いのですが、そんなまちなかに突然坂があらわれることがあります。実は大阪市の東側には台地、上町台地があるんです。この台地に道がぶつかると、どうしても坂になります。大阪の地名の由来も「大きな坂」?坂とはなにかと縁がある大阪。今日は大阪の、中でも天王寺にある有名な7つの坂を、ご紹介しましょう。


上町台地とは

大阪市の東部にある横たわる台地、上町台地(うえまちだいち)。

台地の東側も西側も低地となっていて、北側には川が流れています。

最高の高さは標高38m。古代、両側の低地は海となっていました。

つまり台地は海の中に突き出た半島のように感じだったのです。

陸地があるのは台地のみ。

この台地には古代、都である難波宮(なにわのみや)が2度置かれました。

また日本初の本格的な寺院の四天王寺や神社の生国魂(いくたま)神社などが建立されました。

また近代には台地の北の端に巨大なお城、大阪城が作られます。

大阪城は大阪でも見晴らしも良く、台地の上にあり、天然の要害でもありました。

夕陽丘や茶臼山、真田山など、山に関する地名も多いのも上町台地の特徴。

上町、という名前自体も、上にある街という意味。

東成や西成など大阪の区の名前も、台地に由来します。



天王寺の坂

谷町九丁目から天王寺にかけて、四天王寺に近い場所は特に高低差があるところ。

おかげで坂も多くあります。

そんな坂はまとめて天王寺の7坂と呼ばれています。

北から順に真言坂(しんごんざか)、源聖寺坂(げんしょうじざか)、口縄坂(くちなわさか)、愛染坂(あいぜんさか)、清水坂(きよみずざか)、天神坂(てんじんざか)、逢坂(おうさか)。

名前もかなり個性的な坂が並んでいます。

そんな天王寺の7つの坂を紹介しましょう。



真言坂(しんごんざか)

7つある坂で一番北側にある坂。

坂の上に生国魂神社の北の入口があり、坂を降りると千日前通りの谷町筋と松屋町筋とのあいだにぶつかります。

神社の入り口があるのに、ふしぎなことに仏教の宗派の名前「真言」が坂の名前になっています。

これは以前、坂の周りに真言宗の寺院があったため。

寺院はなくなりましたがその名残が坂の名前に残っています。

車も走ることのできる石畳の坂です。

松屋町筋と千日前通りの交差点からは生国魂神社に向かう別の坂もあります。


源聖寺坂(げんしょうじざか)

生国魂神社の南側にある坂。

松屋町筋沿いに坂の名前の由来となった源聖寺と金臺寺(きんたいじ)があり、寺と寺に挟まれて坂の登り口があります。

坂の上には両側に齢延寺(れいえんじ)と銀山寺(ぎんざんじ)が並び、先の道沿いにも数多くの寺やラブホテルがならんでいます。

さらに道を進むと谷町筋にぶつかります。

坂を登ると最初はなだらか。途中から方角を変えて急な坂となります。

すべて石畳みの坂です


口縄坂(くちなわさか)

大阪地下鉄の四天王寺夕陽丘駅の西側にある坂。

名前の口縄とは蛇のこと。

坂の起伏が蛇のようにうねっているのが名前の由来とされています。

現在の坂は途中から石畳のゆるやかな階段に。

坂の上には江戸時代の有名な歌人である松尾芭蕉(まつおばしょう)の供養塔のある梅旧院と、大阪出身の有名な作家、織田作之助(おださくのすけ)の文学碑があります。

これは彼の作品に口縄坂が出てくるため。

大阪みどりの百選にも選ばれているほど緑の美しい坂。

坂を降りると松屋町筋に出ます。

その手前に宗慶寺というお寺があり、寺の前で猫が休んでいます。

坂の上からさらに歩くと谷町筋に出て、四天王寺夕陽丘駅があります。


愛染坂(あいぜんさか)

大阪星光学院の北側にある坂。

名前は坂の上にあり夏祭りで有名な愛染堂勝鬘院に由来します。

すぐ近くに狛虎(こまとら)で有名な大江神社もあります。

坂の上からの夕日の光景が有名で、夕陽丘(ゆうひがおか)の地名の由来ともなりました。

坂を降りると下寺町(しもでらまち)という名前の町があり、町を抜けると松屋町筋にぶつかります。

敷石が敷かれた、かなり急な坂です。


清水坂(きよみずざか)

清水寺の北側にある坂。

坂の上には大阪では有名な高校の聖光学院が、坂の途中の南側には清水寺があります。

清水寺にある大阪唯一の滝、玉出(たまで)の滝はパワースポットとして有名。

坂はなだらかな階段になっています。

坂を降りると下寺町があり、町を抜けると松屋町筋にぶつかります。

坂の上にある町の名前は伶人町(れいにんちょう)。

四天王寺の舞楽の関係者が住んでいたことに由来と言われています。


天神坂(てんじんざか)

安居(あい)神社が南側にある坂。

安居神社に祀られる菅原道真(すがわらみちざね)の神様の名前である天神に由来します。

安居神社は大阪夏の陣で徳川家康と戦った有名な武将、真田幸村(さなだゆきむら)終焉の地とも言われています。

神社に名水が湧く有名なスポットがあり、菅原道真も立ち寄ったとか。

坂の途中に安居神社の境内に向かう急な階段があります。

名水に由来して道の途中に水を汲む井戸が復元されています。

坂の上から足を伸ばすと谷町筋が、坂を降りると松屋町筋があります。


逢坂(おうさか)

7つの坂のうち、一番南側の坂。

「おうさか」と「おおさか」。似てますよね。

実は大阪の地名の名前の由来とも言われる坂。

以前はもっと急な坂でしたが、明治時代に切り崩して緩やかな坂に。

5車線もある大きな通りです。

坂の上には四天王寺の西大門が、坂の途中の南側は一心寺や天王寺動物園が、坂を降りると松屋町筋の終点があります。

終点からさらに足を伸ばすと阪堺電車の恵美須町駅があります。


いかがでしたか?大阪の坂。

上の7つの坂以外にも、上町台地には日本橋と谷町九丁目を結ぶ千日前通りの坂や、夕陽丘学園沿いにある車道の学園坂、また谷町六丁目にある坂道の商店街、空堀商店街などもあります。

坂を上り下りするのは大変だけれど、坂の上は眺めもよく、坂を降りるときの町の眺めも最高。

頑張って坂を上り下りしながら大阪の地形と歴史を感じてみてくださいね。


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